導入企業:株式会社百森様
森林経営管理法及び新たな森林管理システムのモデルとなった岡山県西粟倉村で10年以上にわたり個人所有の森林管理を推進してきた豊富な経験を持つ森林経営・管理に特化した専門会社です。個人所有で抱えきれない小規模な森林の管理を行政、提携事業者との連携で受託管理するほか、ノウハウを生かし地方自治体・森林組合向けに森林管理のコンサルティング事業を展開し、岡山県・西粟倉村から全国へ森林管理を推進しています。
岡山県北部に位置する西粟倉村を拠点とし、森林経営と管理に特化した専門会社として林業に携わる株式会社百森(敬称略)は、最新テクノロジーを駆使して森を活用する事業を推進する「森先案内人」です。戦後の「家不足」により資材として約330万本の杉の木が植林された西粟倉村では、森が最大の資源であると同時に、山林の所有者自身が広大な山林を管理することは至難の技。そこで百森は山林の所有者へ間伐作業のための設計図作成を承っています。
この作業では、まず百森が所有者から山林の区画を預かり、間伐のための調査、重機の選定、間伐を実施する事業者への発注や補助金申請手続きなどを取りまとめ、間伐の際の現場監督を実施します。
「百森のワークフローでは消費者(森林所有者)と森林のエリアなどさまざまな情報を取りまとめる必要があり、位置情報とこうした情報を結びつけることが可能なタスク管理システムが必要でした」と語る担当者の田畑さん。
森林での作業は基本的に電波の届かないオフライン状況下で行われるため、ネットに接続してブラウザで動くことが前提のタスク管理ツールが使えないことや、山林の至る所を回って現場監督をする従業員がその場で気が付いたことを位置情報と共に記録する方法がデジタルで実現できず、紙の地図へ直接メモ書きをするしかなかったことに課題に感じていたそうです。
そこでLOBSTAを導入し、山林の現場監督時にはLOBSTAと連携した別のアプリを使ってオフラインでメモを取り、オフィスに戻ったら位置情報含むデータをLOBSTAに送り、LOBSTA上で管理するという使い方をしています。また、LOBSTAでは管理したデータをガントチャートやエクセルなどあらゆるフォーマットに出力できるため、間伐作業を依頼する事業者へは紙出力にデータを受け渡すことができる点で汎用性にも優れています。
「林業ではオフラインでの作業が多いので、紙に出力できるかどうかは大きなポイントですね」
オープンソースのソフトウェアであるLOBSTAは、オープンソースコミュニティとのつながりが強く、例えば百森のように「オフラインで作業をしたい」といったニーズも互換性のあるアプリケーションを用いることで実現可能です。また、LOBSTAが基盤としているオープンソースのタスク管理ツール「Redmine」はタスク管理ツールのユーザー数日本一を誇り、ユーザーベースがしっかりしていることも安心に繋がると言います。田畑さん曰く「何か困ったことがあっても、調べればどこかで必ず解決策が見つかるという安心感がある」と教えてくれました。
また、LOBSTAでは背景地図としてオープンストリートマップや国土地理院提供の地理院地図などのほか、必要に応じて独自でドローン撮影したマップも利用可能です。タスク管理の汎用性と、地図の汎用性の広さがLOBSTAの特徴ですが、LOBSTAを導入してみて一番変わったことは何でしょうか?
「今回LOBSTAの導入をきっかけに、今まで経験則でなんとなく共有されていたことや言語化されていなかったワークフローが見える化したことが1番大きい変化です。これにより、業務改善のための会議でも指標ができたので助かっています。また、LOBSTAでは位置情報とタスクを結びつけてくれるので紙の図面を確認しないとわからなかったことが、例えば週末にちょこっと在宅リモートで確認する、といったこともできるようになりました。」
最後に田畑さんへ、今後LOBSTAの導入を検討されている事業者の方へアドバイスをお聞きしました。
「LOBSTAに限った話ではないですが、やはり自社のワークフローとタスクをしっかり見定めて、LOBSTAをどんな場面でどのように使い何を期待するかをはっきりさせることが重要だと感じます。タスクの洗い出しで大変なのは経験則や口頭で伝えている部分を記述していくことなので、私たちも今もそうした習慣を継続しています。林業は幅が広く、事業者によってどんなことをするか内容がバラバラで参照するものがないことも多いので、自社の中でしっかり言葉を作っていくことが重要です。百森ではワークフローに応じたテンプレートを作成することで楽に作業できているので、テンプレを作ることも重要です。」
LOBSTAではツールの提供だけではなく、タスクのチケット管理や位置情報と結びつけるタスク管理方法についてワークショップやブログ記事も発信しています。より詳しい情報はコンタクトフォームよりお問い合わせください。